農地転用制度

1.農地転用とは  2.農地転用許可制度とは  3.農地転用の許可申請


1.農地転用とは

農地転用とは、「農地を農地以外のものにすること」で、具体例としては農地に区画形質の変更を加えて住宅、工場、病院、学校等の施設の用地にしたり、道路、山林、水路等の用地にすることなどが挙げられます。

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2.農地転用許可制度とは

農地転用許可制度は、『優良な農地の確保』と『計画的土地利用の推進』を図るために、「農地を農地以外のものにする場合」または「農地を農地以外のものにするために所有権等の権利設定・権利移転を行う場合」に、都道府県知事の許可(4haを超える場合:大臣の許可)を受けることとする制度です。下記表の農地法『第4条許可』『第5条許可』が農地転用に当たります(『第3条許可』は農地のままなので、『権利移動』です。)。

国、都道府県が転用する場合等は許可不要。

市街化区域(=既に市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域。市街地として積極的に整備する区域)内の農地の転用については、農業委員会への届出制となっています。

この農地の転用許可を受けずに無断で転用したり、許可どおりに転用していない場合等には、農地法違反となり、「工事の中止」や「原状回復」等の命令が下されたり(農地法第83条の2)、3年以下の懲役や300万円以下の罰金という罰則の適用もあります(農地法第92条、第93条)。

農地法に関する手続き

1)農地の売買、賃貸借等:農地法第3条許可←権利移動

2)自己の所有する農地を農地以外のものにする場合:農地法第4条許可←農地転用

3)農地を農地以外のものにするために、売買、賃貸借等をする場合:農地法第5条許可←農地転用

 

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農地法

許可が必要な場合

許可申請者

許可権者

許可不要の場合




第3条

農地を農地として売買・賃貸する場合

土地の譲受人(借人)
→20アール以上耕作して
  いる農家限定

◆農業委員会

◆自己の住所地以外の市町村の
  農地を取得する場合は当該土
    地所在地の都道府県知事

詳細




第4条

自分の土地を転用する場合

転用を行う者(農地所有者)

◆都道府県知事

◆農地面積が4haを超える場合
    は農林水産大臣
(地域整備法に基づく場合を除く)


◆国、都道府県が転用
   する場合

◆市町村が、道路・河川
  等土地収用法対象事
  業の用に供するため転
  用する場合等

第5条

事業者等が農地を買って転用する場合

売主(農地所有者)と
買主(転用する事業者)

※2haを超え4ha以下の農地について都道府県知事が転用を許可しようとする場合には、あらかじめ農林水産大臣に協議すること
  とされています。

また、上記の農地法上の許可以外に、他法令の許可が必要な場合があります。

農地を転用して住宅や工場等を建設する場合、農地法以外にも農振法(=農業振興地域の整備に関する法律)や都市計画法等の他法令により建設等が規制される場合があります。この場合には、当該他法令による許認可等が得られる見通しがない限り、農地転用の許可は下りません。

【農地法以外の法令による許可が必要な場合】

@農振法の農用地区域内で農地を転用する場合

農用地区域は、農振法に基づき市町村が都道府県知事に協議し、今後長期にわたり農業上の利用を確保すべき土地の区域として農業振興地域整備計画に定めているもので、農業公共投資はこの農用地区域内に集中して実施することとなっています。
このため、農用地区域内の農地転用は、原則として許可されないことになっています。

例外として、この農用地区域内の土地は、「農用地区域の除外手続き」をすることで除外され、農地法による転用の手続きを受けることができるようになります。
【除外できる要件】
次の要件を全て満たす必要があります。
@農用地区域以外に代替すべき土地がないこと
A農用地の集団化、作業効率など、転用希望の土地周辺の農業上の効率的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと
B土地改良施設等の有する機能に支障を及ぼすおそれがないこと
C転用を希望する土地が、土地改良事業等の実施後8年を経過していること
→詳細は、各市町村の農政担当課(農政課、農林課、経済課など)へ。

A都市計画区域内で農地転用を行う場合

無秩序な市街地の形成を防止する観点から、都市計画区域内において開発行為(宅地造成等)を行おうとする場合には、都市計画法に基づき都道府県知事の許可が必要とされています。
特に市街化調整区域は、市街化を抑制する区域との観点から、農家住宅の建設等一定の限られた開発行為以外は認められていません。
なお、都市計画法の開発許可と、農地法の転用許可は両制度の整合を図るため同時に行います。

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3.農地転用の許可申請

【農地法第4条許可・第5条許可】

農地転用許可申請の流れ  審査事項  必要書類

【農地法第3条許可】

※農地法第3条許可の許可申請については、こちらへどうぞ。

 

許可申請の流れ

(1)市街化区域内

《既に市街地を形成している区域および概ね10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域・市街地として積極的に整備する区域内の農地の転用の場合》

@届出書提出→ 
 
届出者          農業委員会
←A受理通知  

(2)市街化区域外

《都道府県知事許可の場合》

                             農林水産大臣(2ha超え4ha以下の農地の場合)
             協議↑ ↓回答  
@申請書提出→        A意見を付して送付→          B許可につき意見を聴く→            
申請者         農業委員会            都道府県知事            都道府県農業会議
   ←← ←← ←← ←← ←← ←←D許可通知                ←C意見提出                                     

                

《農林水産大臣許可の場合》(4ha以上の農地の場合)

@申請書提出→          A意見を付して送付→  
申請者            都道府県知事            農林水産大臣
 ←← ←← ←← ←← ←← ←← ←←B許可通知                         

                

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審査事項

@農地区分及び許可方針(立地基準)+A立地基準以外の基準(一般基準)

(1)農地区分及び許可方針(立地基準)

農地を営農条件及び市街地化の状況から見て次の5種に分類し、判断します。

区分

営農条件、市街地化の状況

許可の方針

農用地区域内農地

市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地

原則:不許可
(農振法第10条3項の農用地利用計画において指定された用途の場合等に許可)

甲種農地

市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)、集団農地でかつ高性能農業機械による営農に適しているなど、特に良好な営農条件を備えている農地 原則:不許可
(土地収用法第26条の告示に係る事業の場合等に許可)

第1種農地

生産力の高い農地、土地改良事業等の対象となった農地、集団農地等、良好な営農条件を備えている農地 原則:不許可
(土地収用法対象事業の用に供する場合等に許可)

第2種農地

鉄道の駅が500m以内にある等、近い将来、市街地として発展がが見込まれる農地または生産性の低い小集団の農地(概ね20ha未満の農地) 周辺の他の土地に立地することができない場合等は許可

第3種農地

鉄道の駅が300m以内にある等、都市的施設の整備された区域内の農地または市街地化の傾向が著しい区域にある農地 原則:許可

 

(2)一般基準(上記立地基準以外の基準)

許可申請の内容について、申請の目的実現の可能性・確実性や、周辺への被害防除措置等について審査します。

●農地を転用して申請に係る用途に供することが確実と認められるかどうか。
 →他法令の許認可等の見込み、資金計画の妥当性等を審査。

宅地分譲を目的とする宅地造成事業は、転用許可後の土地ころがし、遊休化を防止する観点から、事業主体及び用途を限定して許可されます。

●周辺農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがないかどうか。
 →土砂の流出等の災害発生のおそれ、農業用用排水の機能障害等を審査。

●仮設工作物の設置その他の一時的な利用については、その利用後に当該土地が農地として
  利用できる状態に回復されるかどうか。

●申請面積が、申請目的実現のために必要最小限度の面積であるか。

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申請に必要な書類

注)各審査機関により、提出書類は異なります。ご参考までに。

□@土地登記簿謄本

申請地に係るもの。
 □登記事項証明書(全部証明)

□A付近見取り図・位置図 できるだけ詳細のもので、申請地の位置・付近の状況が分かる図面。
□B現況地番図

法務局備え付けの公図の写しなどに、申請地付近の地番、地目、道路・水路を明示したもの。

□C配置図 申請地に設置しようとする建築物、工作物その他の配置及び面積、土砂の流出・崩壊等に対する防除措置(擁壁など)をする場所並びに用水・排水の経路を表示したもの。
□D資金証明書

●自己資金:預金先金融機関の預金残高証明書
●借入資金:融資証明書
●個人からの借り入れ:貸付者の融資証明書及び貸付者の預金先金融
  機関の残高証明書

※「転用面積100平方メートル未満」または「事業費500万円未満」の場
 合は不要。

□E定款または寄附行為の写し

権利を取得しようとしている者が法人の場合。
□F法人登記簿謄本

権利を取得しようとしている者が法人の場合。
 □登記事項証明書(全部証明)

□G関連法令の手続きを証する書面 当該事業に関連して、他法令の許可、認可を必要とする場合。
許可書等の写しまたは申請書の写し
□H土地改良区の意見書

申請地が土地改良区の地区内にある場合。
但し、意見を求めた日から30日を経過しても意見を得られない場合には、その事由を記載した書面

□I所有者の同意書

所有権以外の権原に基づく申請の場合。
小作農等が賃借権に基づき農地法第4条の許可申請をする場合 など。
□J取水・排水同意書 当該事業に関連する取水または排水について水利権者、漁業権者の同意を必要とする場合。
□K隣接農地所有者の同意書

近傍農地に著しい影響を及ぼすと認められるなど特に審査が必要な場合のみ。原則不要。

□L単独申請できる場合に該当する
   ことを証する書面

●競売・公売の場合:入札調書または特別売却調書
●遺贈の場合:公正証書
●確定判決の場合:判決書
●裁判上の和解または請求の認諾による場合:和解調書
●民事調停法による調停が成立した場合:調停調書
●家事審判の確定または家事調停が成立した場合:家事審判書または
  調停調書

□M真正な権利者であることを証す
   る書面

●申請者(譲渡人)が土地登記簿の名義人と異なる場合
  →戸籍謄本、除籍謄本、遺産分割協議書、相続放棄書 など
●申請者(譲渡人)の住所等が、土地登記簿の記載と異なる場合
  →戸籍の付票の写し、住民票の写しなど変遷の分かるもの。

□N親権者であることを証する書面

未成年者の申請の場合
□戸籍謄本 など

□O委任状

代理人申請の場合。
印鑑は申請書と同一のものを押印。
□P実測図 一筆の土地のうち一部を転用する場合。
申請区域を表示し、地積計算をしたもの。

※事前審査を受けている場合は、添付図面を省略することもできます。
※上記の書類以外にも、農業委員会・都道府県知事が必要と認める場合には、書類の提出を求められることがあ
  ります。

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