偽装請負、厚労省が対策指針(2007年6月25日付朝日)

  偽装請負防止のため、請負会社や発注元企業が守るべき内容をまとめた厚生労働省の指針の概要が明らかとなった。

  今回明らかとなった指針の概要は次の通り。

  まず発注元企業に対して、第1に契約する請負会社を選ぶ際、適正に労働者に雇用保険、社会保険に加入させているかなど、法令遵守を考慮するように求める。第2に請負企業との請負契約を途中で解約する場合には30日前に請負会社に予告することを要請する。これは、いわゆる派遣 契約の中途解除に似た考え方を導入したもので、請負契約を中途解除されることによって、請負会社の労働者が突然解雇されることを防止する  のが目的である。
  次に請負会社に対して、第1に請負先において労働者を監督できる者を配置し、請負会社自体に適正な雇用管理を担う責任者を置くことを要請する。第2に、請負労働者との雇用契約期間について、少なくとも発注元企業と請負会社と請負契約期間と少なくとも同じであることとし、極端に短い雇用契約にならないように求める。これは、請負労働者の雇用を安定させるのが目的である。

  これら指針は強制力はないが、請負会社と発注元企業からなる協議会を設けセミナーなどを開いて徹底を促すということである。

  昨年来の、偽装請負解消について、厚労省が一定の指針をまとめるという内容のニュースである。
 昨年来、当事務所が関わった例においても、適正な派遣ではない、あるいは偽装請負の疑いがあるということで、適正な契約への変更、あるい  は直接雇用への変更などの措置をとった例がいくつかある。

  こういった厚生労働省、労働局の指導においてまず基本となっているのは、「労働者保護」である。これは、労働基準法等労働関係法令の基本的趣旨が「労働者保護」にあることとも通じている。ある労働局担当者も「労働者からの申告にはうちも誠実に対応せざるを得ない」と述べられており実際も私が経験した労働局の指導の例をみても、そのほとんどは「労働者からの申告」の基づいて行われている。

  今回の指針においても、まずその「労働者保護」の考え方が全面に出ている。
ただ、それはそれで良いのだが、個人的には「請負会社保護」の視点があっても良いのではないかと考えている。これはどういうことかというと、昨年来議論されている「偽装請負」問題は、全て労働者=善、派遣・請負会社=悪という構図であるのだが、、私が感じている実感と少し違うのであ
る。つまりどういうことかというと、このような請負労働者、派遣労働者を実際に使用して利益を得ている派遣先、発注元企業であるメーカー等の姿勢にかなりの問題があるように感じるのである。

 具体的には、今回も指針に出てきている請負会社の「社会保険」の加入などでも、派遣先、発注元企業はこれら負担分を自ら負担しようという意思がない場合が多いのである。つまり、しわ寄せは「請負会社」に来ているのである。実際これらしわ寄せの声を、直接請負会社、派遣会社の
経営者、担当者から聞いている。

 発注先企業の姿勢にも踏み込むことが、偽装請負の問題を考える際に非常に大事だと考える(2007年6月29日、角野)。

 

              

                                                                                                                                                                                                                                                                                              

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