外国人研修・技能実習制度の3省の改革案が出そろう(2007年5月11日、12日、16日付日経、5月12日付朝日)

 外国人研修・技能実習制度の改革案の厚生労働省、経済産業省、法務大臣私案の3つの改革案が公表された。

 今回順次提示された、議論のポイントは、3点ある。

 まず第1に、1年目の「研修」をどうするのかである。経産省案は、現状維持であるのに対し、厚労省案は廃止し、最初から「技能実習」として「労働者」として扱う方向性であり、法相私案は、「研修」を純粋な技術を学ぶ場とし、その代わり「3年」の「短期外国人就労制度」を道入する。

 第2に、2,3年目の「技能実習」制度であるが、経産省案は、これも現状維持、それに対し、厚労省案は、1年目から「技能実習」として、これをトータル3年とする。これに対し法相私案は、「技能実習」制度そのものを廃止し、その代わり上記の「短期外国人就労制度」を設けるとする。

 第3に、現在の「研修」1年、「技能実習」2年、トータル3年の期間をどうするのかという点であるが、経産省案はプラス2年の「高度技能実習」を設け、トータル5年とする。厚労省案は「技能実習」をトータル5年まで認める。これに対し、法相私案は、「短期外国人就労制度」を3年とし、延長を認めていない。 

 この記事もあるように、塩崎官房長官は2009年の通常国会までに、研修生保護の法案提出を行うとした、規制改革・民間推進会議の答申に言及、今後の議論の活発化を求めている。しかし、この3案は、かなり隔たりが大きい。特に最後に出された法相私案は、元労働官僚で、研修、実習制度の立案にも関わった人物のようで、この制度に一番保守的なスタンスをとるとみられていた法務省から出てきたのは、かなりインパクトが大きいのではないであろうか。

 現在私角野も事業協同組合の設立に携わり、研修、実習生受け入れの為の手続きをお手伝いする立場にある。その立場からみると、この外国人研修生、実習生を受け入れる手続きやその後の生活指導、管理などの大切さが組合、受入企業の立場からすると大きい。やはり受け入れる研修、実習生は、生身の人間なのである。研修途中でのリタイアや、所在不明となる研修生など、日常の研修生のトラブル対策、ケアなどが非常に大切であると考える。そうなると、ただちに単純労働を受け入れて生ずるトラブルが大きいと考えられるので、法相私案は、一石を投じる意味合いが強く、やはり経産省案と厚労省案のすり合わせによる案としてまとまるのではないか。

 ただ法務省自体の案はまだ出されておらず、今後の議論に注目したい(2007年5月16日、角野)。

              

                                                                                                                                                                                                                                                                                              

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