人材派遣大手、正社員紹介を拡充(2006年1月20日付日経)
人材派遣大手が正社員の紹介事業を強化する、ようである。景気回復を受けて企業が正社員の採用を増やし始めたのに対応する。マンパワー・ジャパン(東京・千代田)は紹介した人材が3カ月以内に辞めた場合に、紹介料を全額返金する新サービスまでも導入。パソナやアデコも営業人員を増強する。
マンパワーは、企業に紹介した人材が3カ月以内に辞めた場合、紹介料を全額返金する「辞職保証」を付けて営業を始めた。紹介人材の3カ月間の就労を保証するサービスは他社にもあるが、全額保証は珍しいようである。
アデコは、インターネットを中心に前年度の5倍の求人広告費を投じ、3倍にあたる百人のコンサルタントを登用する。
パソナは紹介事業を手掛ける子会社、パソナキャレント(東京・千代田)の営業員、コンサルタントを、昨年末の1.5倍に当たる二百人に拡大する、という。
人材派遣大手が、本業ではない人材紹介業に力を入れる、というニュースである。本業がだめなので、副業で儲けよう話に近い。
人材派遣業界と人材紹介業界は人を扱うという点で似ているが、出発点が異なる。むしろ、両業界は一種の水と油の関係とも言える。派遣は、人を直接雇用し、派遣先に送り出す。しかも対象は、事務機器操作を中心にした女性が中心である。ところが、紹介は、求人社と求職者の雇用契約成立を助ける、いわば一種のお見合いの世話役。対象は、管理職、技術者などの男性が中心である。
ところが、99年の派遣法改正により紹介予定派遣が認められたことにより、派遣業界が紹介業界に近づきはじめる。そして、そもそも派遣事業の業績をアップさせるための手段に過ぎなかった紹介事業を、独立して業績アップのための手段として積極的に活用しようというわけだ。
例えば、リクルートの関連では、派遣はリクルートスタッフィング、紹介はリクルートエイブリックと、派遣と紹介を別法人にして、棲み分けを図っている。ところが、今回の記事にある会社はそもそも派遣事業で成長してきた企業である。そこへ、紹介予定派遣という、いわば派遣事業の附帯的事業ではなく、紹介事業そのものに力を入れるというのである。
しかし、前述したように派遣業と紹介業は似て非なる事業である。当事務所で派遣会社で紹介事業の許可のお手伝いしたところで、紹介事業そのものが活況を呈しているという話は聞いていない。せいぜい、派遣先から「この人、良い人なので直接雇いたい」というリクエストが出た場合に、付属的に紹介事業許可を活用している程度である。
上記大手派遣会社が、果たして記事にあるような、大きな業績アップ図ることができるのか、今後注目したい(角野、2006年1月20日)。
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