有限責任組合(LLP)8月始動、第1陣に「さおだけ屋は…」著者ら(2005年7月22日付朝日、7月26日付日経、7月23日号週間ダイアモンド)
このコーナーでも何度か取り上げた有限責任事業組合(LLP)制度が、8月1日からスタートする。
このLLPという制度は、柔軟な経営ができ、出資者の責任も限定される一歩、税制面ではいわゆるパススルー税制という、出資者にのみ課税され、組合には課税されない組織のことである。経済産業の主導の下に昨年導入が検討され、早くもこの8月にスタートすることになった。
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LLP |
民法組合 |
株式会社 |
合同会社(LLC) |
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| 出資額の範囲での有限責任@ | ○ | × | ○ | ○ |
| 権限や利益を自由に分けるA | ○ |
○ |
× | ○ |
| 法人課税はなく出資者に課税B | ○ | ○ | × | × |
LLPとは、「Limited Liability Partnership」 の略である。ちなみに、来年導入が予定されている合同会社日本版LLCは「Limited Liability Company」の略である。
この8月1日にスタートすることになったLLPの特徴は、一言で言うと、株式会社と民法上の組合のいいとこ取りである、という点である。つまり、@出資者の責任は有限責任、つまり出資の額に限定される(上記表の@、株式会社のいいとこ取り)A権限や利益の配分を必ずしも出資の額に応じるのではなく自由に決めることができる(上記表のA、組合のいいとこ取り)B課税はパススルー課税、つまり法人に対してではなく、出資者に課税する(上記表のB、組合のいいとこ取り)。
今回導入されるLLPの第1陣に「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」の著者で公認会計士の山田真哉さんのグループが入る予定である。このグループは、公認会計士、税理士、行政書士等の士業の人達が中心に設立を予定している「インブルームLLP」という組織である。このグループでは、セミナー、講演会、書籍の出版を通じて、わかりやすさを第1としたコンサルティングを展開する予定。「インブルームLLP」という看板を通して、個々の活動領域も広げようというわけだが、会社のように利益を上げて、成長することを目的とするのではなく、「インブルームLLP」というブランド価値をあげることを目的とし、あくまで緩やかな結び付きのための器である点が、会社ではなく、今回の「LLP」という器を選ぶ理由のようである
当事務所に今回のLLPの設立について問い合わせが寄せられている。既に株式会社などを経営している方々にとっても、かなり気になる組織のようで、特に前述の特徴Bのパススルー課税に魅力を感じるようである。先に法務省が主導して導入が検討された日本版LLCである合同会社が、目玉と目されたパススルー課税の導入を放棄したこともその大きな要因である。ただではLLCは全く使い道がないかというと、LLCは安定収益型のビジネス、LLPはハイリスク・ハイリターンのジョイントベンチャーに向いていると考えられ、LLCの場合には株式会社への移行が可能である、という点もLLPにはない特徴といえる。
ともかくこの8月1日から、上記のような組織を含めLLP制度が始まる。日々ビジネス展開する方々にとっても、この制度が現実としてどのように運用されるのか、大きな関心事であることは間違いない(2005年7月30日、角野)。
なお、大阪商工会議所メールマガジン8月1日発行予定のページをご覧の皆様への解答 1 ○ 2 ○ 3 ○ でした。
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