グッドウィルに事業改善命令(2005年6月30日付日経)

 東京労働局は、6月30日建設現場への人材派遣を違法に繰り返していたとして、「グッドウィル」(東京・港区)に事業改善命令を出した。同社は、業務請負契約を結びながら派遣先が現場で指揮命令を行ういわゆる「偽装請負(派遣)」を行い、昨年行政指導を受けていたが、今年4月工事現場で労災事故が発生し、今回の改善命令が出たようである。

 派遣対象業務が、元々の専門的ないわゆる26業種(事務用機器機器操作、ソフト開発)から1999年に原則自由化となり、更に昨年3月から製造ラインへの派遣も、期間1年とういう条件付きであるが、派遣対象業務として認められており、派遣対象業務の拡大という方向で、労働者派遣法は改正を続けている。しかし現在も派遣対象業務として認められていないのが、「港湾運送業務」「建設業務」「警備業務」である(この派遣対象業務については、当事務所HP派遣法改正のポイントのこちらからどうぞ)。

 ただ、当ニュースのコーナーの昨年の記事でもお伝えしたように、建設業の派遣の解禁については、どうやら一定の条件付きで厚生労働省は解禁の検討を始めたようなのである。しかし、具体的な解禁の動きについては、その後報じられていない。

  そこへ今回の派遣大手「グッドウィル」に対する業務改善命令である。この「命令」というものは、行政法的に「下命」というものに属し、相手方に法的効果を生じさせる「行政行為(処分)」である。つまり、今回「グッドウィル」には「偽装請負(派遣)」の是正義務、平たく言えば建設現場への派遣は一切ストップさせられるわけである。これが、昨年同社に出ていた法的効果のない「行政指導」との違いである。

 今回労働局からこのような形で「事業改善命令」を受けた「グッドウィル」は、上場企業でありながら、いかに順法精神の薄い企業であるかを如実に物語っている。私もいろいろなところで「偽装請負(派遣)」の話は聞いているが、「建設事業」での「偽装請負(派遣)」というのは、聞いたことがない。つまりそれほどリスクの多い分野での法違反が今回のニュースなのである。

 軽作業請負を中心に成長してきたと言われる「グッドウィル」は今回の出来事により、かなりのダメージを受けることは間違いない(2005年7月10日、角野)。                                      

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