製造業務の派遣解禁1年、実情は契約切り替え多く(2005年3月1日付日経)
改正労働者派遣法の施行で製造業務の人材派遣が解禁されて、この3月1日で丸1年となった。派遣先企業への請求料金は1人あたりで、業務請負とほぼ同水準というのが相場として定着した。ただ、実情は既存の請負契約からの切り替えが多い。
人材派遣各社がメーカー側に請求する派遣料金は自動車向けが1時間1,600円〜2,000円強、電機向けが1,500円〜1,700円前後(税別)が相場のようである。
1年前の派遣解禁後は、トヨタ自動車など請負を活用していないメーカーが人材サービス会社に新たに派遣を発注する例も見られたが、産業界全体では少数派である。
製造ラインへの派遣の解禁が昨年3月1日の派遣法改正の大きな目玉であったが、その実情ついてのレポート記事である。この記事にもあるように、静かに浸透しつつあるようである。
当事務所のお客様でも、もともと業務請負をメイン業務として行っているところで、派遣の許可を取得した事業者がわりとある。このようなお客様から聞いているのは、やはり先方、すなわち派遣先による、請負契約から派遣契約への切り替え要望が時々ある、という声である。つまり、これまで偽装請負的な形態であった契約内容を、実態に即した派遣契約に代えてほしいという要望に応えて、製造ラインの派遣を始めるというパターンが多いようである。つまり、この記事と同じ状況である。
昨年の派遣法改正によって、大手派遣会社などがこれまで手がけたことのない製造ライン派遣へ進出するということで、既存の業務請負会社VS派遣会社の図式が想定されていた。ところがふたを開けてみると、既存の業務請負会社が派遣許可を取得し、請負から派遣へ切り替えるという図式が現状のようである
改正派遣法の施行という大きな節目は昨年で終えたわけだが、実際製造ラインへの派遣や、もともとの26業種について派遣期間が無限定になったことなどの影響は、今後じわじわと出てくるものと考えられる。最近の傾向として、企業が正社員確保の方向に動き出しており、これまで右肩上がりであった、この派遣業界も今年はその影響を受け、スタッフ確保の困難などが出てくるであろう。
先日3月3日に行った当事務所の主宰する人材ビジネス研究会においても、スタッフ、人材の確保が困難である状況がますます出てきているようである。その中で、製造ラインへの派遣を含めた対応が既存の派遣会社に可能なのかというと、やはり厳しいと言わざるを得ない(角野)。
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