会社法要綱案決定(2004年12月9日付日経)
法相の諮問機関である法制審議会の会社法部会が、改正会社法要綱案を決定した。株式会社は最低資本金制度の撤廃などで設立要件を緩和、有限会社制度を廃止する。
要綱案では、株式会社の設立時に要求される最低資本金1,000万円以上とする規制を撤廃、資本金1円でも設立できるようにする。また、現行法で3人以上とされている取締役の人数制限や取締役会の設置義務も原則的に撤廃される。これに伴い、存在意義のなくなる有限会社制度は廃止、ただし現行の有限会社の名称使用はできる。
またこの欄でも何度か紹介した米国LLC(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー、有限責任会社)の日本版である合同会社(仮称)の新設を行う。これは、出資額に関係なく自由に配当を決めることができる制度で、出資余力はないが技術力の高いベンチャー企業などで利用が予想される。
この要綱案は、2005年2月に法制審議会が法相に答申、次期通常国会に法案が提出される見込みで、2006年の施行となるようである。
株式会社の最低資本金制度が撤廃され、有限会社が廃止されるという、これまで何度か行われてきた商法改正のなかでも、特に大きな改正内容が盛り込まれた要綱案である。
株式会社において株主は間接有限責任、すなわち出資を限度とした責任しか会社債権者な対して負わないため、会社債権者に引き当てとなる会社財産としての資本制度を設けているわけである。もちろん今回の要綱案は、資本制度そのものを廃止するわけではなく、最低資本金制度を廃止しようというわけであるが、それにしても1円会社を恒久的に行おうというのは、実に思い切った改正である。
1,000万円の最低資本金制度が導入される以前は、いわゆる発起設立という形態で、発起人7人×5万円=35万円で会社設立が認められていた。しかし資本金35万円は株式会社の名に値しないというということで儲けられたのが最低資本金1,000万円といいう制度の導入であった。
これを、会社の廃業率が開業率を上回っており、もっと起業家にチャレンジしてもらいたいということでの今回の改正要綱案の登場ということなのであろう。その趣旨は非常に評価できるが、それにしても「35万円の最低資本金が株式会社の名に値しない」とみていたものを、「1円でも立派な株式会社ですよ」という変貌ぶりには驚いてしまう。法律なんていうものも、このように180度転換することもありうるというわけである。
ともかく、この要綱案の実現により、起業家が株式会社、合同会社(仮称)を利用し、ビジネスにチャレンジすることを期待したい(角野)。
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